育児の常識にまつわるQ&A
育児に関して自分が思っている常識と、世間の常識がずれていることってありますよね。何が本当のことなのか専門家の先生に聞いてみましょう。「育児の常識」について、ニコこどもクリニックの本田真美先生が答えてくれます。
［監修］ニコこどもクリニック
院長 本田真美先生
東京慈恵会医科大学卒 国立小児病院にて研修後、国立成育医療センター神経科などで勤務。医学博士、小児科専門医、小児神経専門医、身体障害者福祉法第15条指定医、おもちゃコーディネーターなどの資格を持つ。
ベビーパウダーを使っていましたが、汗腺をふさぐのでよくないと教えてもらいました。本当でしょうか？
（6カ月 女の子）
汗腺をふさぐだけでなく、汗でダマになって、それが皮膚を物理的に刺激してしまうのでよくないという意見などもあります。
ベビーパウダーは最近ではあまり勧められていません。汗腺をふさぐだけでなく、汗でダマになって、それが皮膚を物理的に刺激してしまうのでよくないという意見や、肌を乾燥させてしまうこと自体がよくないという意見があります。スキンケアの基本は洗浄と保湿です。よく泡立てた石鹸で皮膚のシワにそって手で洗い、その後保湿クリームで保湿をします。暑い時期は汗による肌のトラブルも多いので、汗をかいたらこまめに洗浄することが大切です。
赤ちゃんが発熱したときに、汗をたくさんかかせるため布団をたくさんかけるのがよいと思っていたのですが、違う意見もあるようです。どう考えれば良いですか？
（10カ月 女の子）
発熱の時に厚着をさせてしまうと、大人のように汗をかいて熱を調整することができずに、かえって高熱になってしまいます。
赤ちゃんは熱調整機能が未熟なために、外気温に体温が左右されやすくなっています。発熱の時に厚着をさせてしまうと、大人のように汗をかいて熱を調整することができずに、かえって高熱になってしまいます。赤ちゃんが発熱した場合は、手足の温度をバロメーターにするとよいでしょう。体温は高いのに手足が冷たいときは、まだ熱が上がりますので、もう一枚かけてあげるとよいでしょう。熱が上がりきると、手足も暖かくなります。その場合には薄着にさせて体を冷やしましょう。よくオデコを冷やす方がいますが、解熱の効果は低く、脇の下、首、鼠径部など太い動脈が表面近くを走っている部位（触るとドクドクするところ）を冷やしてあげると効果的です。
