
子どもと言葉にまつわるQ&A
個人差があるとわかっていてもついつい気になる言葉の発達。ニコこどもクリニックの本田真美先生が答えてくれます。
[監修]ニコこどもクリニック
院長 本田真美先生
東京慈恵会医科大学卒 国立小児病院にて研修後、国立成育医療センター神経科などで勤務。医学博士、小児科専門医、小児神経専門医、身体障害者福祉法第15条指定医、おもちゃコーディネーターなどの資格を持つ。

低出生体重児と発語の遅れには関係があるのでしょうか?
(1歳6カ月 女の子)
小さく生まれたことだけで言葉の発達に影響があるとは言い切れません。
低出生体重と発語の遅れの間に関係があるというより、小さく生まれた原因や、お母さんのおなかの中にいた週数、出生時のエピソードなどが脳の発達には関係してきます。小さく生まれたことだけで言葉の発達に影響があるとは言い切れません。
早く発語できるように、家庭でできることはありますか?
(1歳 男の子)
お母さんとの感情の共有を赤ちゃんのうちから多く体験していくことです。
言葉というものはコミュニケーションのツール(道具)です。ボキャブラリーを増やすことだけではなく、赤ちゃんのうちから出来ることとして、言葉を使わないコミュニケーション(nonverbal communication)がとても大切です。
お母さんとの感情の共有を赤ちゃんのうちから多く体験していくことです。同じものを見て一緒に感じてあげること、目をしっかりみてお互いの感情を伝えあうことが、言葉の発達を促す第一歩です。
突然赤ちゃん言葉を話すようになってしまいました。何かのSOSなのでしょうか?
(3歳 女の子)
甘えという要求を受け入れてあげることで自然となくなっていく場合が多いようです。
今まで普通に話していたお子さんが赤ちゃん言葉を使ったり、赤ちゃんのようにふるまうことは、いわゆる赤ちゃん返りと言われるものかもしれません。
何かのSOSという場合もありますが、単に甘えたいという要求からくる場合も考えられます。赤ちゃん言葉を使うことを指摘したり治させたりするのではなく、甘えという要求を受け入れてあげることで自然となくなっていく場合が多いようです。
中耳炎と発音が上手くできないことは関係あるのでしょうか?
中耳炎が起きやすい体質だと、上手く発音できないと聞いたことがあります。実際、関係はあるのでしょうか?
(4歳 男の子)
音の聞こえが悪いと言葉の獲得や発音に影響が出てくることが十分考えられます。
中耳炎を繰り返していると音の聞こえの問題が出てきますので、言葉の獲得が遅れたり、発音に影響が出てくることが十分考えられます。
言葉の遅れのあるお子さんの中に、慢性的な中耳炎に気づかれずにいる場合も多くあるので、心配な場合は医師へ相談することをお勧めします。