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赤ちゃんのひきつけにまつわるQ&A

今回は、突然おこるかもしれない赤ちゃんの「ひきつけ」について、ニコこどもクリニックの本田真美先生が答えてくれます。

[監修]ニコこどもクリニック
院長 本田真美先生

東京慈恵会医科大学卒 国立小児病院にて研修後、国立成育医療センター神経科などで勤務。医学博士、小児科専門医、小児神経専門医、身体障害者福祉法第15条指定医、おもちゃコーディネーターなどの資格を持つ。

ニコこどもクリニック 院長 本田真美先生

ひきつけってどんな状態?

最近ひきつけを起こした赤ちゃんが周囲にいましたが、ひきつけってどんな状態なのですか?

(7カ月 男の子)

手足がガクガク震えて意識を失う状態のことを『ひきつけ』ということが多いようです。

『ひきつけ』は医学的には『痙攣(けいれん)』といいます。痙攣には色々なタイプがありますが、一時的に呼吸を止めて体を固くしたり、手足がガクガク震えて意識を失うものを『ひきつけ』ということが多いようです。『ひきつけ』の原因は様々でてんかんや脳炎・髄膜炎、頭部外傷(脳出血など)がありますが、乳幼児の場合は熱があるときにおこる『熱性けいれん』が大部分をしめます。

激しく泣いたときにひきつけを起こしやすいです。
治療は必要でしょうか?

激しく泣いたときにひきつけを起こしやすいのですが、わりとすぐにおさまります。薬などでの治療は必要ないのでしょうか。

(6カ月 男の子)

時期が来れば治まることがほとんどですが、他の痙攣をおこす病気が隠れていることもありますので医療機関の受診をおすすめします。

『泣き入りひきつけ』と思われます。泣き入りひきつけは憤怒痙攣ともいわれ、生後6カ月頃から4歳ころのお子さんにみられます。かんしゃくを起こしたり、急にびっくりしてしまった時に呼吸を止めて顔色が悪くなり痙攣をおこすことがあります(顔色が悪くなるだけの場合もあり)。
脳の発達が未熟なためにおこると言われており、脳波や脳画像に異常がなく他に原因がない場合に診断されます。なるべく大泣きしないように気を紛らせてあげることが対処のひとつですが、時期が来れば治まることがほとんどです。
ただし他の痙攣をおこす病気が隠れていることもありますので、医療機関を受診してきちんと診断は受けましょう。泣き入りひきつけでも回数が多い、程度が強い場合にはお薬を処方されることもあります。

ひきつけとてんかんって違うものなのでしょうか?

(1歳 男の子)

『ひきつけ』は、意識を失ったり手足がガクガクふるえて『痙攣』している状態です。『てんかん』は脳細胞の異常な神経活動が何度もにおこる状態です。

ひきつけは、意識を失ったり手足がガクガクふるえて『痙攣』している状態をさします。痙攣の原因のひとつに『てんかん』がありますが、『てんかん』以外の原因でも痙攣(ひきつけ)はおこります。
例えば乳幼児で一番多い痙攣(ひきつけ)は熱性けいれんです。熱があるときに痙攣をしますが、多くの場合は一度きりで終わることが多く脳波に異常もみられません。脳の発達が未熟なためにおこることが原因と考えられています。

一方『てんかん』は脳細胞の異常な神経活動が慢性的(何度も)におこる状態です。生まれつきや原因不明の場合もありますし、外傷や脳梗塞などの後天的な原因で脳細胞に傷がついて起こる場合もあります。脳波検査や脳画像検査などで診断をし、てんかん発作(痙攣や意識消失、不随意運動など)を繰り返す場合にはお薬の治療が必要となります。

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