ケガにまつわるQ&A
転倒したりぶつけたり、やんちゃざかりの子どもにはよくあることですよね。「ケガ」について、ニコこどもクリニックの本田真美先生が答えてくれます。
［監修］ニコこどもクリニック
院長 本田真美先生
東京慈恵会医科大学卒 国立小児病院にて研修後、国立成育医療センター神経科などで勤務。医学博士、小児科専門医、小児神経専門医、身体障害者福祉法第15条指定医、おもちゃコーディネーターなどの資格を持つ。
転んでも咄嗟に手を出せるように、小さいうちから練習させたほうがいいのでしょうか？
顔や頭をケガする子どもが増えていると聞きました。転んでも咄嗟に手を出せないのが原因とのことですが、小さいうちから練習させるなどさせたほうがいいのでしょうか？
（10カ月 女の子）
練習というようなものではなく、赤ちゃんの自然な発達を見守り、促すことをお勧めします。
転んだ時に手がでるのはパラシュート反応（反射）のおかげです。パラシュート反応は、腕だけが伸びるのではなく、背中、脚、首も一緒に伸ばす方向に働いて手でからだを支えることをサポートします。パラシュート反応は生後すぐに出てくるものではありません。からだを伸ばし、手で支える、手で支えながら体重移動するという経験（四つ這いや、座って手を床につけて支える）の積み重ねが、転んだ時に手を出して支えるという機能に成熟していきます。手で体を支えるような動きは、手をついてお座りをしたり、ズリ這いやハイハイなどをすることで乳児期から育まれていきます。練習というようなものではなく、そのような赤ちゃんの自然な発達を見守り、促すことをお勧めします。
擦り傷の消毒にはどのような処置が適切でしょうか？
擦り傷の消毒について。水だけで十分という意見と、きちんと消毒液も使うべきという意見があり迷っています。どのような処置が適切でしょうか？
（12カ月 男の子）
擦り傷の深さや、傷ついた時の状況や環境によっても対応は変わります。
傷が浅く擦りむいた程度で出血がひどくなければ、泥や汚れを石鹸を使って水で洗い流すだけでもよいですが、細菌感染などの心配がある場合には傷が新しいうちは消毒薬を使用したほうがよいでしょう。もし傷が深く心配な場合は、消毒液だけでなく医者に診せるようにしましょう。
